2005 Sheets of PowerPoint ( Artwork Script )

インターネット時代の連想をモチーフに、『作業手順(アルゴリズム)』と『編集行為』を意識した作品です。視聴者の理解・連想速度のぎりぎりのタイミングで、「グーグル画像検索」などの連想検索で得てきた画像を各言葉ごとに配置し、しかしそれでいて物語をきちんと構成しました。用意された絵と、それについての語から物語りを構成する部位もあれば、物語と語から画像を連想可能なぎりぎりの範囲を想定して選択肢織りなしていきました。

<a href=”http://www.enclosing.net/index/files/trak2005.zip>作品はこちら。120MB)</a>

以下、スクリプト

2005毎のパワーポイント

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ノイズ。
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あるところに
2005枚の
パワーポイントが
落ちていました。
そこにたまたま
一人の
青年が
通りかかる訳です。
そのようにして物語ははじまります。(オースター)

彼は
じつに2005日
ぶりに部屋からでた
ひきこもりです。
ランクで言えば(差し替えか)
S級の、
小学校で言えば
できすぎの、
ヨシノヤで言えば
つゆだくの
大変すぐれた、
ひきこもりです。

彼は、
太陽の色を
忘れてしまったので
ちょっと確認しに(差し替えか)
でかけたのでした。

表にでた瞬間に
彼はこう考えます。
普通だな。
いえの中の方が
楽しいjanaika。
僕の空は、
ボクの部屋の
天井だ。
昔からみんな
そうだったんだ。
静かに
自分のために
空を作った
もんだった。
僕も家に帰って、
なにかスゴイものを、
ヤバイものをつくろう。

そう思い、振り返った、
まさにそのとき、
足元に、
2005枚のパワーポイント、(差し替え?)
が落ちていました。
ただ淡々と、
アメ
にも
負けず、

にも
負けず、
そこに落ちていたわけでした。

しかし彼は
こうした誤った物語を
素直に受け入れる気にはなれませんでした。
わかった
ぞ、
作者は、
ひきこもりである
おれに、
こんなものを
与えて、
ひきこもりを
悪者扱いしようって、
コンタンだろう。
そうはさせないぜ!
フガ!
ガチョーン!
ドスコイドスコイ!

そうして彼は部屋に持ち帰るやいなや
ろくに掃除もしていない便器に
それを投げ込んでしまったのです。

しかしそれから信じられないようなことが
怒りました
トイレからは
泡がぶくぶくと沸き立ち、
やがてすさまじい悪臭とともに、
女神が
現れたのです。

そうして彼女は次のようにいいはなちました
おい。
ひきこもり!
おまえが落としたのは、(いまいち)
金のこれですか、
銀のそれですか、
それとも銅のあれですか?
応えろ
クソ。(ちょい心配)
この、くそ。
クソ!(身割り当て)
ガチョーン
ドスコイドスコイ!
ショー!

そこで彼は答えました
「どれでも、ありません」すると、
ゴゴゴゴゴゴゴゴ、という地響きのもとに、
女神は
ゆっくり
トイレの中に
沈んでいきます。
彼女は、
正直ですね!
正直ですね!
クソ!
正直ですね!
と叫びながら
沈み込んでいったのでした。
その顔は死ぬほど醜く、
彼は危険なほど増していく
悪臭の中で
なんどか嘔吐
しました。
しかしそんなこともいずれ終わります。

女神がさったあと、そこには、
恐ろしいまでの悪臭と、
それに伴う大家さんの逆襲と、
すこしばかりの学習、
それと2005枚のパワーポイントが
残りました。

それだけではありません。
そこには最新式の携帯型コンピュータが落ちていたのです。
彼は、
あらゆる選択肢を目の前にして
どれでもない、と
素直にいうことで
全てを手に入れたのです。

あまりの悪臭で
いえを諦めたかれは
そのまま家を後にし、
にどともどりませんでした。

ノイズイン

長い電源ケーブルにつながれたコンピュータや、
昼も夜も明るさの変わらないような部屋は、(あれば交換)
まるで母の
胎内のようだった。
ボクはへその緒をとうとう切りはなって、
地球にとりつけられたエンジンを、
探すたびに出るのだ。

元引きこもりの、浮浪者になった彼が
ずっと後になって思い出したように
このパワーポイントを開いてみたときに、
物語は終わりを迎えるのです。

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ノイズ。
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背景、パワーポイントの外の君へ。(身割り当て)
今これを呼んでいる君はご存知のように、(身割り当て)
ボクはパワーポイントの中に住んでいる。(身割り当て)
あるいはうじゃうじゃと瞬く満点の星のなかに済んでいると思ってもらっても構わない。(身割り当て)
パワーポイントの中にいる僕に対して(身割り当て)
窮屈そうだ、といって君が気の毒がることはない。(身割り当て)
と僕は考えています。(身割り当て)
気付かないようにすることだけは天才的な君たちは。(身割り当て)
というのもだれだって多かれ少なかれ、(身割り当て)
窮屈な枠にはめられて生きてる。(身割り当て)

前置きはもうやめよう。(身割り当て)
いずれ電源が消えれば綺麗さっぱり消えうせてしまうのですし。(身割り当て)

(ノイズオフ)

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優柔不断なその星は揺らごうか揺らぎまいかと迷っていた。それをみて人がざわついたり、ほほをそめたりするのが、癪だったからだ。
彼は自分の周りを取り巻く大きなガスが自分の視界をいつも小さくにごらせてしまうのをみて常々悲しんでいた。
が、それと同時に、それは一つの大きな啓示のようなものをかれに与えてくれるのだった。
啓示はこういうものだ。ある見方をすれば絶望的に大きすぎるこの宇宙で、僕という存在は、宇宙とはまったく別のもの、宇宙から切り出されてしまった存在なんかではないんだ。
そうではなくて、ゆっくりとゆらぐこのぼんやりとしたこのガスのように、僕の一部なのに、宇宙の一部だ、という感じの、境界線のない、存在に近しいのだ。存在っていう言葉もそぐわないな!
自分という存在は、たまたま、ある日久々に町にでたときに足元に落ちていたのに気付き、しかし見向きもしなかったゴミのように、偶然に、いくつかの感情があつまってきて、できている。
ものはものを引き合い、言葉は言葉の後を追うのだ、というただただそれだけの理由で集まって、固まっている。だから自分という存在が不条理なのは当然なのだ。
けれど、星として存在するということは、静かな無限につづく午後に宇宙に溶け出す可能性をもってるってことなのだな。こういう啓示を与えてくれるのだった。

しかしこれも夢のような話しだろう。というのは僕は重たく、やぼったい、退屈な星だからだ。意固地になって揺らめきもせず、流れもしない、退屈な、お星様。

僕がシェイプをもっていることは、僕がこう考えることと同じ意味を持つが、同時に、僕がシェイプを持つということは、宇宙に溶け込んだり、あの別の星と同じ意味になることはできない。ということだ。

それと、と星は考えた。彼はいつからここに存在しているのか自分でもよく覚えていないのだった。自分がここにかたまって、真空にこびりついてからどのくらいたつのか。
そして自分はなんのために、そしてどこからきたのか、という有名な質問が、彼をよく捉えた。
彼はこう答えることにした。彼のもつ小さな知識のように、よりちいさな塊が、衝突を繰り返して、星ができる、ということは、たしかにありそうなことだな・・・。でも頭じゃ理解するはできるけど、なんだかなじまない。居心地がわるい。
そうではなくて、自分はどこからか、ほかでもないここにきた。そしてなにかのためにここにいるのだ。こういう不思議な郷愁が、彼をとらえてやまないのだった。そうでなくては僕の存在の意味はなんなのだ。
そうでなくては宇宙はなんて白状なんだ。宇宙はなんと薄いのだ。いきをすることもかなわない。口びるが二つもついているのは、こんなくだらない独白のためじゃなかったはずだ。いつか本当の空気を一口でいいから吸い込むのならば、僕はなにも言葉をのせずにそれをためらいもなく吐き出せるだろうに。目的のない存在、ということを認めることは彼には難しすぎるように思えた。それは病のようなものだった。

だけれども実際のところこの星も、静止してみえるけれど、大きな宇宙の運行の、あるカメラワークのもとには、大きな渦のなかで、一つの円のうちの点として、ものすごいスピードで、運動をしつづけているに、過ぎないということを、彼はずっとあとになってから、突然彼のそばを通りかかった青白い星によって、知らされたのだった。そのとき彼は、あちらがこちらに近づいてきた、と思ったので、そう告げた。すると、あちらは、
「いや、君が近づいてきたようだよ。というか、この広く薄い、間の抜けた宇宙では、どちらかがどちらかに近づく、なんてことはないんだぜ、君はまだ若いね。」などというのだった。

天動説でも地動説でも良かったのだ。

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パワーポイントはここで終わる。
青年はこの物語りを読みおわったあとにも、
特に強い感激も持たずに、暫くの間いつもどおりに呆けてすごした。しかし彼は
数日後に横断歩道をあるている途中に、
たまたま、車に曳かれた猫をみた。
そのとき、ハタと気付いたのだ。
パワーポイントの
日付がまさに
この物語りが始まった日であることに。
こうした遭遇は
日曜日の次にくるはずでこなかった月曜日を思わせた。
時間がハレーションを起こし焼き焦げてしまったニオイが
辺りに立ち込めた

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ノイズ。
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